コトリ会議は、もうすぐお芝居を上演します。
京都の烏丸のKAIKAという劇場。
5月16、17日に、「gate」というイベントに出ます。
今の時期は稽古の最終段階。
脚本、演出、役者、劇場。皆であれやこれやと持ち寄ったアイデアを、無作為に組み合わせて繋いでいって、化け物のようなでっかい造形にしたもの。
これを、お客様に受け取ってもらえるよう、化け物の角や爪を削ぎ落として、身長は客席の目線の高さに、少しカッコよくしてみよう、そんな形を作っているところです。
注意するのは、僕たちがお芝居を通じてお客様に投げかける謎。
なんでこの人はあんな台詞を言ったんだろう。
あの時の振り向いた視線の先に、本当に映っていたものはなんだったんだろう。
どこまでお客様は気づいてくれるだろうか。
途中で投げ出さずに見てもらうにはどうしようか。
コトリ会議は今までに本公演を何本も上演してきて、様々なイベントで短編のお芝居もやらせてもらって、そこはかと経験も積んできたのに、
それなのに、お芝居って難しい。
台本を書き始める時、僕はもちろん物語の主題を持ってはいるんですが、書いているうちに、自分で自分が分からなくなってくる。
執筆中にも社会からはいろんな情報が入ってきますから、昨日は白色だと思っていたものが、今日は微妙に肌色になっているんじゃないの?
しまいには、チラシに掲載している題名にも疑問が出てくる。
そこに役者さんの演技が入ってくる。
役者さん、今回は6人ががんばりますが、皆、考えている事が異なる。
そしてもちろん、お互いに心底理解する事は出来ない。
さらに演出、照明や音が参加する。
劇場は今日はなんだか焼きそばの匂い。(匂いって大事!)
たくさんの人の思惑が、本番の一時に交錯するのですから、お芝居って、演じるのも大変、観るのも大変。
特にお芝居を観る人は、役者さんの動きや台詞、明かりや音はもちろんの事、役者さんの汗や唾、劇場の温度、座り心地、となりの人の咳払い、本当にたくさんの情報をごちゃ混ぜに体感するんだから大変大変!
お疲れ様です!
え?それが言いたかったから、このブログなの?
と、お思いの、そこの多分あなた!
違います。僕が言いたいのは、お芝居なんて理解出来なくて当たり前なんだってこと。
そして、どんなお芝居だって、たとえ台本執筆時にどれだけ高尚な事を考えていたって、上演した時それは皆おんなじ、理解不能、異次元のアイツのコイツ。
なので、どうか、私には理解出来ないからといって、考える事に苦しくならないで、自由にいろんな事を頭に浮かべて観て頂ければ嬉しいです。
もちろん僕たちは、ただワケわからない事をやるんじゃない。工夫をする。自由な発想をもっと楽しくするための仕掛けを用意しなくちゃいけない。
全身をかきむしりたくなる程の難しさ。
ただ知識をひけらかすんじゃない、演劇論をぶつんじゃない。
楽しんでもらいたいんだから。
コトリ会議の山本は宣言します。
コトリ会議のお芝居に、頭の良いところなど、ひとっカケラも無い!
え、あ、皆さん分かってましたか。
すみません。ああ、堂々と宣言したりして、恥ずかしい。
とにかくです。
なにが?
とにかく。
今回のgateのテーマは、「劇を話そう」
僕は今からこうやって宣言をする事でね、
ああコトリ会議って、劇を話そうにも…うん、そうなんだね。って思ってほしくて。
今日も皆と、稽古がんばろう