コトリ会議の山本です。
仙川に行って来ました。
とても良い街で興奮しました。
出来の良い喫茶店もたくさんあるし、ラーメン屋もあるし、僕の個人的な思い出のある中華屋もあるし、興奮しました。
僕はいろいろあって、10年近く昔に、仙川に1週間住んだのです。
思い出の中華屋は思い出のまま、ざく切りの瓜を素のままほんのり甘い感じで食べさせてくれました。
今回は、せんがわ劇場さんが催している、せんがわ演劇コンクールに参加してきました。
日本中から選ばれた、自分たちで応募して、選ばれた6団体が、二日間がっぷりと作品で競うのです。
そして、最終審査員の皆さん、仙川市民の皆さん、東京の観劇猛者の皆さんから選ばれた団体が、大賞を貰えるのです。
コトリ会議は貰えませんでした。
6団体中1番目というのは、実は僕、大好きな位置づけで、一番始めに一番でっかい爪痕残してやろうと思ってたんですが爪痕残りませんでした。
でも劇場のスタッフさん皆さん笑顔が素敵で。
初めて劇場に入る僕たちのこと、楽屋への行き方やら舞台や客席のことやら何から何まで丁寧に教えてくださって、場当たり中もゲネプロ中も本番中も作品を楽しんでくださって、居心地良かったなあ。
絶対大変やのに、迎えてくださる感じが嬉しかったです。
小屋入り当日の朝に初めて顔を合わせた照明スタッフの黒太さんも開始5秒で気さくに話してくださって、しかもなんでもオーケーオーケー、役者さんの顔に明かりを当てないっていうのをすんなり分かって、ぴったり合わせてくださって、やりやすかったです。
音響スタッフの中村さんとは、三年前の「対ゲキ」以来だったけれど、僕とおんなじ、太ってくれてて、やっぱり良かったなあ。相変わらずスタッフなのかお客様なのか分からない鋭い視点で作品を突くとこなんかも、気が抜けなかったなあ。
劇場スタッフの皆さん、黒太さん、中村さん、本当にありがとうございました。
残念ながら大賞は逃しましたが、良い思い出が出来ました。
で納得出来たらこんな歳まで演劇やってないんであってね。
いや悔しいですね。
コトリ会議10年でこれかと。
最近いろいろあったんでね。
悔しいなあ。
大賞をとられたパンチェッタさん、ゲネを拝見しましたが、確かにすげえイキイキしてた。
脚本とか演出とかもイキイキしてたし役者さんの顔が、良かったなあ。
やっぱり会場を巻き込むってこういうことなんだろうなあと、ボコボコに心を殴られて帰ってきました。
最近いろいろあったんでね。
特別賞をとられたゆうめいさん、すごかったなあ。
こっちはなんか、人生フル稼働って感じがして、どこまででも駆けてく感じが、良かったなあ。
やっぱり会場を巻き込むってこういうことなんだろうなあと、最近いろいろあったんでね。
コンクールへの参加なんて本当に久しぶりで。
思い出すのはシアトリカル應典院space×drama2010の、劇団ZーSystemさん。
客席がゆったりしていて前説から笑わせてくれて、作品もどうぞリラックスして笑って泣いて観てくださいって感じが、すげえ楽しくって。
演劇をする時の姿勢を正されたこと。
何のために演劇するのかっていうのをすげえ考えさせられたなあというの。
なんだか僕はあれから何年経っても同じことしてるなと。最近いろいろあったんでね。
仙川の街と昔何も分からないまんま其処にいた自分を重ねて、ものすごい、ここ10年の人生のおさらいをしていました。
仙川、ありがとうございました。
ThE2VS2が解散したというのがとても尾をひいている。
上に書いたような姿勢をそのまんま演劇にのせてやってくれる人たちで、本当につまらない時も少し面白い時もあって。
僕と同じ歳で、僕が演劇やめてもこの人たちはいつまでもヤバいんやろうなと疑いもしてなかったなあ僕はと。
観ていて、本当につまらない時もたくさんあったんだけれど、涙流して笑った時も本当にちょっとだけあって、考えてみれば涙流して笑った作品って僕の観劇人生で3つくらいだなと思うと、解散したんだなあって。
あぁ
解散って。
同じ歳つながりで。
この流れで。
万博設計の橋本さんご結婚されましたね。
この流れで。
おめでとうございます。
橋本さんは演劇に自分の人生の道を見つけたみたいで、すごく羨ましい。
うるさい先輩になるんだろうなあ、羨ましい。
同じ歳つながりで。
ピンク地底人3号氏も大活躍でね。
仙川行く前に「ももちの世界」観て、すごい良かったから感想メールしたら、返ってきたのが「仙川にチラ美のスカートはないよ」って。
僕すごく不安になって台本書き換えてしまいました。
3号氏も演劇に自信がある。
演劇をやるからには、という気持ちの土台がカマボコ板の様に最近しっくりきてる気がする。
やっぱり35歳まで演劇続けるって、何か軸を見つけてることなんだなと。
ThE2VS2も、それぞれの軸を見つけての解散だろうし。
僕は演劇を桃源郷の甘い池みたいにしか考えていないんじゃないかと、厳しい。
「しずかミラクル」から「チラ美のスカート」まで、客演で参加してくださった原さんには、とても助けられました。
山本のここが面白いここが足りてないというのを、顔をつきあわせて何度も話してくれて、なんとかそれでやってこれたなと。
演劇の中に僕はどうやったら入り込めるんだろう。
なんで演劇を選ばなきゃいけないんだろう。
なんかコトリ会議も解散みたいな空気出してますが、コトリ会議まだ解散しません。
9月には、神戸アートビレッジセンターの、「KAVCアートジャック2018」に参加します。
KAVCの隅っこを有効活用してきます。
11月には、伊丹アイホール主催の、レトロスペクティブに参加します。
鈴江俊郎さんの「ともだちが来た」と「髪をかきあげる」の2作品を上演します。
来年頭にも、何かやります。
僕たちしぶといです。
小鳥は、そもそもがしぶといのです。
弱くて小さなというのは、それでも生きているのは、そいつは種族の中でも抜きん出て、狡猾で、健康に気をつけているのです。
大嵐が来たとして、小鳥はあらかじめ見当をつけていたブナの幹の穴ぼこに入り、耐えるのです。
なんのために明日を迎えるかも知らんまま。
まあ、仙川は良いとこだったと、いうことです。
コトリ会議
山本
(撮影:青二才晃)